多くの太っている人は、無意識に太る行動を習慣的にとっています。人によっては、「この習慣は太る」とわかっていたとしても「まぁいいか」と行動してしまい、後から罪悪感に陥ることもあるでしょう。

やせたいと言っている人ほど「この一口がデブの元」といいながら、無意識に仕事中にお菓子を食べたり、深夜にラーメンを食べていたりします。このような行動は、ストレスを解消しようと食に走っているケースが多いです。

特に、社会人生活が長い優秀なキャリア女子ほど、ストレスによる過食に悩みます。

このような食の悪習慣は、意志の力だけでは止めることができません。しかしコツさえつかめば、意外と簡単にやせる習慣へと変えることができます。

今回は、食に関する悪習慣をやめられない理由と楽にやめる方法を説明します。

意志の力では、食の悪習慣はやめられない

太っている人は「私は意志が弱いからダイエットができない!」と言います。また、周囲の人も太っている人は「自己管理能力がない」「意志が弱い」と判断しがちです。

しかし私の知っている太っている人は、決して自己管理能力がなく意志が弱いとは思えません。

太っているのは意志が弱いからではない

例えば、私の友人であるダイエットトレーナーのところに相談にくる女性の多くは、「バリキャリ女子(バリバリ仕事をこなし、年収も高い女性)」といわれるようなキャリアウーマンです。弁護士や経営者など、一般のOLよりもはるかに高収入であり、責任のある仕事を日々こなしています。

このような男性社会でバリバリと仕事をしている女性が、意志が弱く自己管理能力がないといえるでしょうか? 本当に意志が弱い女性が、簡単に出世できるとは考えられません。

彼女たちは、体型の管理はできません。しかし、責任を持って難しい仕事をこなせるだけの強い意志と自己管理能力を持っているから出世しているのです。

このことからも、ダイエットができない理由は意志が弱いからでも、自己管理能力がないからでもないことがわかります。彼女たちは、ただ食の悪習慣を持っているだけで、それを良い習慣に正す方法を知らないだけです。

ダイエットで成功する人は、食の悪習慣を正す方法を理解しています。この悪習慣を正すには、まず心理学の「スリップ」という現象を上手にコントロールする知恵をもつ必要があります。

スリップ現象を理解するとダイエットが楽になる

スリップ現象とは「習慣によって引き起こされる、意図していない行動に陥ること」をいいます。

例えば、あなたがオフィスで紅茶やコーヒーを飲み、一緒にチョコレートを食べるという習慣を持っていたとします。

そこで「やせたいからチョコレートは食べないようにしよう」と思っても、ついつい習慣でチョコレートをかじってしまいます。そして後から、「やってしまった」と後悔します。

ひどい人はその悪習慣に気づかず、「ダイエットしているのにやせない」と嘆いていることがあります。しかもほとんどの太っている人が、このように無意識の行動を行っています。

運良く自分の悪しき習慣に気づいても「紅茶やコーヒーを飲むときは、チョコレートがないと落ち着かない」といって、太るとわかっていてもなかなか習慣を止めることができません。

スリップ現象は、このように無意識で起きてしまいます。

しかも無意識なので、ほとんどの場合は気づかず止めることができません。そして特に、習慣のスリップ現象はストレスが多いときほど起きやすいことがわかっています。

ストレスがあるとスリップ現象が起きやすい

現代人は、さまざまなストレスにさらされています。そしてストレスがあるときは、スリップ現象が起きやすいです。その理由として、人はストレスにさらされていると自制心が働かなくなるからです。

仕事などで忙しく生活している人ほど、ストレスを溜め込んでいることに気がつきません。そして意識していない間に、ストレスを食で発散する過食が習慣になっている場合があります。

私も同じような経験があります。ハードワークで朝から夜中まで毎日働いていたことがあります。そのときは、深夜によくファーストフードを貪るように食べていました。そしてそれは習慣になり、食べる量も増えていきました。

その結果、徐々に食欲をコントロールすることができなくなり、気づいたときには体型を美しく維持することができなくなっていました。

着たい服も着られなくなり、メイクやファッションに気を使うこともなくなって、20代前半のような女性としての楽しい生き方をしなくなっていました。恋愛にも自信がなく、ただひたすら仕事して食べて寝るような生活でした。

このような悪習慣を止めるには、どのようなときに「自分が悪習慣にスリップするのか(陥るのか)」に気づくことが重要になります。

そして、悪習慣にスリップしないよう意識的に良い習慣に変えるようにします。このことを、習慣のスイッチングといいます。

習慣のスイッチングとは?

習慣のスイッチングとは、悪習慣を良い習慣(やせる習慣)に変えることを指します。

例えば、禁煙したい人に医師がよく勧めるスイッチング方法として、「タバコを吸いたくなったら、ニコチンガムを噛む」というものがあります。この場合、ニコチンガムでなく、ただのガムやキャンディーでも効果があります。

このスイッチング方法は非常に効果的です。なぜなら、「手軽にできるということ」と、口を使うという「行動が似ていること」が挙げられるからです。

しかもガムやキャンディーは、タバコよりもコンパクトでいつでも持ち歩けます。またキャンディーであれば、気軽にどこでも口にすることができます。「タバコを吸いたい」という衝動が起きたら、その代わりにガムを噛むことはすぐにでも実行できます。

また、「いつもタバコを吸っていた口を使ってできる行動」であることも重要なポイントです。上手にスイッチング方法を実践する上で、「似たような行動を取ること」が精神的に落ち着きやすいことがわかっています。

では、ダイエットに効果的なスイッチング方法をひとつ紹介します。

食の悪習慣を上手にやせ習慣にスイッチングする方法

スイッチング方法をダイエットに応用するならば、「お腹が空いたら、とりあえずお茶か水を飲む」という行動が有効です。多くの太っている人が「小腹が空いた」と感じたら、すぐに高カロリーなスナック菓子やチョコレートなどを食べてしまいます。その悪習慣を、カロリーのないお茶や水に置き換えるのです。

お茶や水などの飲みものであれば、いつでもどこでも手に入ります。また「食べる」と「飲む」という行動は、口を使うという点や胃に物が入るという行為が非常に似ています。そのため、実行しやすい効果的なスイッチング方法になります。

私もこれを試してみてわかったことがあります。それは、「空腹感と喉が渇いている感覚は、とても似ている」ということです。「小腹が空いたと思っても実際は喉が渇いているだけで、水分を摂ったら空腹ではなくなった」ということがよくありました。

ただ、このようにスリップ現象に気づいてスイッチングを行うにしても、太っている人は自分がどんな悪習慣をもっているか気づいていない場合が多々あります。では、どのようにしたら無意識で起こる悪習慣に気づくことができるのでしょうか。

自分の食の悪習慣に気づく方法

先ほども述べたように、スリップ現象は無意識で起きます。人は自分が無意識で行っている行動に気づくことがなかなかできません。そのため、なかなかダイエットに成功しません。やせるためには、自分の無意識で行っている悪い行動に気づき、良い行動に変えていく必要があります。

しかし、人間にとって無意識の行動に気づき、それを変えることは容易なことではありません。それは、いくつかの心理学の研究からもわかっています。

ただ、自己の無意識の行動に気づくための方法を学べば、意外にも簡単にやせる習慣にスイッチすることができます。ここからは、人が食に関して無意識で行動している事実について説明します。

人の食生活のほとんどは無意識の行動でできている

習慣のスイッチングを上手に行う方法のひとつとして、まずは「いかに人が無意識で行動しているか」を知ることで、自分の行動を変えるきっかけを作ることができます。

人は1日に200回以上、無意識で食に関して判断している

例えば、「人は1日に食に関する判断を何回しているか」という研究があります。この研究からも、人は思っている以上に無意識で食事をしていることがわかります。下記がその研究内容です。

何人かの被験者たちに「あなたは1日に何回、食に関する判断をしていますか?」というアンケートを実施しました。

すると多くの被験者たちは、平均して「1日に14.4回意識的に食に関する判断をしている」と答えました。

しかし実際には、被験者たちが無意識で食に関して判断している回数をクリッカー(専用の器具)を使い計測したところ、1日に200回以上も食に関する判断をしていたことがわかりました。

このことからも、人の食生活のほとんどは無意識の行動で成り立っていることがわかります。これでは、自分が太る食生活を送っていても全く気づくことができません。

そして人は、自分が食べたものを忘れがちであることが報告されています。

人は自分の食べたものを忘れやすい

「レコーディングダイエット(食べたものを記録するダイエット方法)」の研究からも、人は「自分でも気づかないうちに、自分で思っているよりも多く食べている」ことが報告されています。

これは長年、糖尿病患者に糖質制限を指導している医師の研究です。

糖尿病患者に、レコーディングダイエットをさせて報告させるようにします。

すると多くの患者が、実際に食べていた量より少ない食事量を報告します。

しかも患者は、故意的に少なく報告しているわけではなく、ただ、自分が食べたことを忘れているだけであることがほとんどでした。

このことから、人は自分の食生活に関して、無意識で行っているために忘れやすいことがよくわかります。

実際に私も、レコーディングダイエットを試したことがあります。最初のうちは、毎日1日の終わりにその日食べたものを思い出して、ノートに書くようにしていました。

朝昼晩の食事内容ならある程度思い出せます。しかし、間食で食べたクッキーや飲みもの、もらって食べたキャンディーなどのことは、全く覚えていませんでした。

特に仕事が忙しかった日などは、仕事中にチョコレートや甘い飲みものなどと摂っていることを忘れていました。ひどいときには、仕事の帰り道に寄り道して食べたフライドポテトのことまで、すっかり忘れていました。

この事実に気づけたのは、何かを食べるときは必ず食べる前に携帯で写真を撮るようにしたからでした。実際にノートにつけていた内容より、私ははるかにたくさんの食品を口にしていたことがわかりました。そして、都合の悪いことほど、すっかりと忘れていたのです。

このように多くの太っている人は、自分に都合のいいことしか覚えていません。人の記憶は非常に曖昧で、しかもほとんどの行動は無意識に支配されているからです。

こうした状況では習慣のスリップ現象に気づき、いい習慣にスイッチングすることなど不可能なように思えます。しかし、私がやったように自分の行動を記録するレコーディングダイエットは、悪習慣に気づくきっかけになります。

それでは私の経験から、スリップ現象に気づくための効果的なレコーディングダイエットの方法を簡単に説明します。

スリップ現象に気づくためのレコーディングダイエットの方法

ここでは私の実体験を元に、自分の悪習慣に気づくためのレコーディングダイエット方法について説明します。実際に行う行動は、下記の2つです。

何かを口にするときは、必ず写真を撮影する。
携帯電話やスマートフォンのカレンダー機能や、小さな手帳を利用して、1時間ごとに行動記録をつける。

【注意点】

このとき「いつ、どこで、どんな行動をして、どんな感情だったか」を箇条書きで書きます。下記に例を挙げます。

例:

7:00 起床、ベッドでボーとする、部屋でシリアル食べる、だるい、 化粧する。

8:00 家を出る。駅で缶コーヒー飲む、チョコレート買う、少し眠気覚める。

9:00 オフィス、紅茶入れる、メールチェック、チョコレート食べてやる気出る。

この食事の記録と行動記録を、2週間続けて記録します。

写真を撮ることで、「自分がどんなものを無意識で食べているのか」がわかります。そして行動記録があることで、自分がどんなときに悪習慣に陥るのかを把握することができます。

両方同時に実践することが困難な場合は、どちらかひとつを2週間ずつ交互に行うとやりやすいです。私は同時でなく、分けて行いました。ただこの場合は、最初に食事記録をつける(何かを食べるときに写真を撮る)ことから始めるといいでしょう。

実際に私がやってみて感じたこととして、行動を記録することは根気がいる作業になるからです。

食事の写真を撮影することは、電子カレンダーや手帳を開いて書き込む作業よりも簡単に行えます。まず食事の記録を習慣にしてから、行動記録を習慣として付け加えることで、ストレスなく自分の悪習慣を見つけることができます。

食事の記録の上手なつけ方

これは前述のように、ただ写真を撮影するだけです。そして、キャンディーひとつ、もしくはお茶1杯などの飲みものも写真に撮るようにします。また、口にする前に必ず写真を撮影する癖をつけるようにしましょう。

携帯電話やスマートフォンのカメラを利用すれば、後から見るときも時系列に並んでいます。そのため、食事や間食をいつしたかわかりやすくなります。

行動記録の上手なつけ方

私は行動記録をつけるために、電子カレンダーを利用しました。

1時間ごとに空白の予定を入れて、アラームが鳴るようにセットします。このように毎時間ごとに携帯電話やスマートフォンが鳴るようにすることで、忘れずに行動を記録できました。

手書きで手帳に書く場合も、腕時計や携帯電話のタイマーをセットすると記録しやすくなります。

そして多少書き忘れても、後から思い出せる範囲で記録をするようにしました。要するに、「いつ、どこで、どんな気分のときに自分は何を食べているのか」を把握することが重要なのです。「記録をつけることができなかった」と落ち込まず、わかる範囲でいいので続けるようにしましょう。

こうして「どんな習慣を自分が無意識で行っているか」を知ることが、悪いスリップ現象気づく方法になります。では、この方法で私が気づいた自分のデブ癖の例をいくつか挙げます。

レコーディングダイエットからわかった私のデブ癖

レコーディングダイエットからわかった私のスリップ現象は下記のようなものでした。

日時 場所 行動習慣
日中 オフィス 仕事中にパソコンを使いながら食事や間食をする。忙しいときは、おにぎりなど食べながら仕事をする。休憩中は、甘い缶コーヒーを必ず飲む。
深夜 帰宅時 疲れているとき、コンビニエンスストアやファーストフード店に寄り道する。そして、高カロリーなものを購入して食べる。
休日 レストラン 「一週間頑張った自分へごほうび」として、好きなものを食べに出かける。

このような習慣は無意識で習慣となっていていました。特に、忙しかったりストレスを感じることがあったりすると、高カロリーなものや甘いものを食べる癖がありました。また、疲れを感じると甘いものを欲することがわかりました。

私の場合、ストレス発散方法として食事や間食が習慣になっていたのです。

そもそも忙しい現代人にとって、ストレスを感じないでいることは容易ではありません。多くの太っている人が、私と同じような悪習慣を無意識で行っています。そのため、本人が気づかない間にブクブクと太ってしまうのです。

運良く自分の悪い癖を知ることができても、多くの人はそれを止めることができません。そこで、先ほど述べたスイッチングを上手に行って、なかなか断ち切れない食の悪習慣をやせ習慣に変える方法を説明します。

食の悪習慣をやせ習慣に変える方法

これまで述べた方法を実践し、自分の悪習慣に気づけたならば、8割の悪習慣を止められるようになったと言っても過言ではありません。しかしなぜ多くの人が、自身の悪習慣に気づきながらもやめられず、太り続けているのでしょうか?

それは、初めから習慣を大きく変化させようとするためです。人間にとって、一気にすべての悪習慣を止めることは、ストレスにつながります。そのため、まず不可能と言えます。食の悪習慣をやせ習慣に変えて身につけるには、ゆっくりと順序を踏まえていく必要があります。

習慣を変えるためには、いくつかコツがあります。今回は「大きな変化ではなく、小さな変化から始めること」と「環境を変えること」の2つについて詳しく見ていきます。

大きく習慣を変えることは難しい

まず理解する必要があることは、人間の習性として小さな習慣は身につきやすく、大きな習慣を身につけることは簡単ではないということです。

そのため、多くの人が大きく習慣を変えようとして、三日坊主になりダイエットを諦めてしまいます。そして、やせては太るということを繰り返し、リバウンドの悪循環から抜け出せなくなります。

例えば、スポーツジムの経営は「幽霊会員」で成り立っているという事実があります。幽霊会員とは、月会費を支払っているがほとんどジムに通ってこない人のことです。

このことからわかることは、「健康のためにやせよう!」と考え、週に3回はジムに通って運動するという大きな目標を立てても、実際には実行できない人が多いということです。

では、私の失敗事例をいくつか紹介します。

失敗例:やせるために運動習慣を変える

実際に、私もジム通いをしていたことがあります。初めのやる気があるうちは週3回通うこともできます。しかし、少しでも仕事が忙しくなったり遊びの予定が続いたりすると、「疲れた! 今日はジムに行かず、また明日行こう」とサボっていました。

そして、ジムに行くことすらやめてしまい、せっかく数kg体重が落ちてもすぐにリバウンドしていました。同じような経験を多くの人が体験していることでしょう。

このように、「ジムに週3回通う」という大きな習慣の変化はなかなか身につきません。そのため、やせた身体を維持し続けるには、もっと時間や手間がかからない行動習慣から始める必要があります。

例えば小さな習慣の例として、「歯を磨いているときにスクワットをする」「起きたらベッドの上で、簡単なストレッチをする」などは身につきやすい習慣といえます。

ジム通いは時間も数時間かかる上に、トレーニングウェアを準備したり、入会費用や会員費がかかったりします。これらは、私生活に多く影響します。今まで友人と会ったり、仕事や家事をしたりしていた時間やお金を使う必要があるからです。

しかし、「歯を磨いているときにスクワットをする」というような小さな習慣は、時間もコストもほとんどかかりません。さらに、いつも行う行動習慣と紐付いているため、実行することがとても簡単になります。

「歯を磨く」などの行為は、誰もが毎朝することです。毎朝、歯を磨きながらスクワットをすることを2週間も続ければ、スクワットをしないと「何か気持ち悪いな」という感覚が出てくるようになります。これは、習慣が身についてきたサインです。

根気よく1ヶ月も続ければ、歯を磨きながらスクワットをすることが当たり前に感じるようになります。このように小さなやせ習慣が身につけば、足腰、腹筋が少しずつ鍛えられてやせやすい体質になります。

また、食事の習慣を変えることでも同じことがいえます。

失敗例:炭水化物抜きダイエットでの失敗

効果が高いダイエット方法として、炭水化物抜きダイエット(糖質の多いご飯、麺類を避けるダイエット)があります。実に多くの人がこのダイエットに挑戦しています。

とても効果的なダイエット方法ですが、大体の人は三日坊主で終わります。そして、やせることができません。

多くの日本人が毎食といっていいほど、炭水化物(ご飯、パン、麺類など)を主食として子供の頃から摂取しています。その主食がなくなるということは、とても大きなストレスになります。ストレスがあると先述のとおり、悪習慣へとスリップ現象が起きやすくなります。

特に、気軽に食べられる炭水化物が多い食事の代表として、ざるそばやラーメンなどの麺類、マグロ丼などの丼物などがあります。生姜焼きやとんかつなど和食を食べるときは、必ずといっていいほど白米を食べます。これらは外食でも自宅の食事でも、よく出てくるメニューでしょう。

忙しいキャリアウーマンならば、手軽に利用できるコンビニエンスストアのおにぎりやパンで、食事を済ませなければならない状況も多いです。

このように現代社会は、炭水化物を口にしやすい環境にあります。「炭水化物を絶対に食べない!」という大きな決断をすれば、ストレスが大きくなります。そして、あっという間に誘惑に負けてしまうのです。

私も炭水化物抜きダイエットを何度も試したことがあります。しかし、その多くが失敗に終わりました。ストイックに頑張ろうとすればするほど、炭水化物を口にしたくなって暴食に走り、体重のリバウンドを繰り返していました。

「全く炭水化物を口にしない」という目標は、大きな食習慣の変化になります。そのため続けることが困難になります。

そこで、炭水化物を口にする量や回数を減らし、他の食品と置き換えるようにしました。すると、1日の摂取カロリーが自然と減ってやせることができました。これは、半年以上続けることができたので、緩やかに毎月2kg前後体重が落ちてトータルで12kgも体重が落ちました。

このように食事の変化を大きいものでなく、小さな変化にしていくことで、ストレスなく続けられるようなやせ習慣を身につけることができます。

もちろん、12kg以上体重が減ってからも、大きくリバウンドすることがありません。なぜなら、小さな習慣の変化だったため、完全に習慣が身についてしまったからです。

小さな習慣は1ヶ月で身につく

大きな習慣の変化より、小さな習慣の変化の方が失敗しない理由のひとつとして、「小さな変化の方が短期間で身につきやすい」ということがあげられます。

例えば、先ほど習慣のスイッチングでも述べた「タバコを吸いたくなったらガムを噛む」という小さな習慣の変化で考えてみましょう。これが成功しやすい理由は、とても簡単な置き換え方法だからだといえます。

これがもし「タバコを吸いたくなったら、気を紛らわせるため腕立て伏せをする」だった場合、非常に大きな変化になります。

そこで、小さな変化にします。ダイエットでいえば、「お腹が吸いたら何かを食べるのではなく、とりあえず水やお茶を飲む」という習慣のスイッチング方法は短期間で身につきやすいです。水やお茶であれば、自動販売機でも手に入りますし、会議中や仕事中でも摂取することが可能です。

これがもし「豆腐やわかめなどヘルシーなものを食べる」となれば、どこでも食べられるわけではなく、スイッチしづらい難しい習慣といえます。

このように小さな習慣の変化(簡単にできること)であればあるほど、ストレスも小さいため1ヶ月程度で身につきます。

そして、習慣の変化を上手にするもう一つのコツとして、「悪習慣が起きる場所や感情を知ることが重要」といわれています。

習慣は空間と感情に左右される

私も、習慣が場所や感情と関連して起きるという事実を知り、自分で試してみるまでは、自身の食の悪習慣がこれほどまでに場所や感情に基づいていたとは思いもよりませんでした。

これは、室内犬のしつけを例に挙げるとわかりやすいでしょう。

例えば、決まった場所でしかトイレをしないようにしつけをされている犬は、滅多なことがない限り決まった場所でトイレをします。犬用のゲージで寝るようにしつければ、毎晩必ずゲージで寝ます。

このように生き物は、場所(空間)と習慣がひもづきやすいのです。また、感情も同様です。

長い間、飼い主に会えなかった犬が飼い主と再会すると、嬉しくなっておしっこをしてしまう犬がいます。また、「しっぽを触られることが嫌いな犬」のしっぽに触ろうとすると、噛み付つこうとする犬がいます。

これらの行動習慣は、犬の感情とひもづいているため、「嬉しい=おしっこ」「嫌な感情=噛み付く」という感情と行動をコントロールしない限り、なかなかやめさせることができません。

例えば、飼い主が帰宅しても犬がその場でおしっこをしないように興奮を抑えさせ、トイレスペースに連れて行ったり、「しっぽを触る」など嫌なことをされても噛まないようにしつけをしたりします。感情に基づいた悪習慣をいい習慣になるように教育すると、犬は新しい習慣に慣れていきます。

人の行動習慣も、この犬と同じように場所や感情に流され左右されやすいのです。

そして、その事実に多くの人は気づいていません。そのため環境や感情に流されて、自分の悪習慣を止めることができないのです。

成功例:食べる場所を決める

前述で述べた、レコーディングダイエット方法を実行してわかったことがあります。それは、私は自宅やオフィスのデスクで、仕事をしながら食事を摂っていたということです。

また、電車や車の移動中に食べていることや、部屋でTVを見ながらスナック菓子を食べていることにも気づきました。

いわゆる、「ながら食べ(何かをしながら食事をすること)」が、悪習慣として身についていました。そこで試しに、食事する場所を変えることにしました。

まずオフィスにいるときは、いつも仕事で使っているデスクで食事をしていました。そこで、ちょっと離れたミーティングで使うデスクで食べるようにしました。

また、自宅でも「部屋では飲みものしか飲まない」と決めて、その他の間食や食事はキッチンで行うようにしました。

外出時も、「食事や間食は、テーブルと椅子がある場所でしか食べない」と決めました。それにより、間食の量が減り結果として摂取カロリーも抑えることがでました。

このように食事をする場所を決めたことで、1ヶ月ほどで長年の悪習慣である「ながら食べ」をほとんどしないようになりました。それにより、ダイエットをしている感覚もなく、ごく自然に1〜2kgほど体重が落ちました。

成功例:ストレス感情がいつ起きるかを把握する

また、ストレス感情についても同様に悪習慣と結びつきやすいです。私の場合、ハードワークでストレスを感じ、疲れているときは帰り道で寄り道をしてファーストフードを食べていました。これも、自分では無自覚の行動習慣でした。

「今日は頑張ったから、これくらい食べてもいいや」という言い訳を使い、週に何度も高カロリーなものを食べていました。私のように、ストレスを食事で発散する人は非常に多く、そしてその事実に気づいていないことが多いです。

特に、太っている人ほど下記のような高カロリーなものを食べて、ストレスを発散しています。

そこで私が試した方法は、ハードワークになることがわかっている場合、ファーストフードではなくてヘルシーなものを事前に準備しておいたり、ストレス発散できるような簡単な予定を意識的に入れたりするようにしたことでした。

具体的には、自宅にヘルシーで腹持ちのいいものを準備しておくようにしました。

例えば、美味しくて低カロリーなチョコレート味のプロティンシェイク、チーズ、ゆで卵などを準備しておきました。実際には、夜中に食べることは胃にも負担がかかるため、ダイエットをする上ではあまり良くありません。

しかし家に何も準備していなければ、誘惑に負けて夜中にファーストフード店に駆け込んで高カロリーなものを食べてしまいます。高カロリーなものを食べるより、低カロリーで美味しいものを食べたほうが、ストレスをためずに摂取カロリーを抑えることができます。

また、「ストレスから食に走る」という悪習慣を良い習慣に変えるために、「ハードワークの後は、時間があればゆっくりお風呂に浸かる。時間がないときは、とにかく早く帰ってすぐ寝る」というように決めました。

そして、ちょっと高級なバスボム(入浴剤)、アロマキャンドル、そして寝心地のいい枕を用意しました。

そのことにより、ハードワークの後は帰り道でファーストフード店に寄り道をせず、ささっと自宅に帰るようになりました。このように、自分にとってワクワクするような良い習慣が行えるように準備をしておくと、「早くあのバスボムを使ってお風呂に入りたい!」と考えて、悪い習慣を断ち切ることができます。

私もこのように、実行したくなるようなやせ習慣のための準備をすることで、ストレスからくる悪習慣へのスリップ現象を上手に抑えて、新しい習慣に変えることに成功しました。

もちろん、何度か失敗してファーストフード店に立ち寄ったことがあります。しかし、そこで「自分はダメだ」と責めるとやる気がなくなってしまいます。「人は誘惑に負けることもある」といい意味で開き直り、前向きに習慣の変化に取り組むようにしました。

そうすることで、圧倒的に悪習慣の回数が減り、やせ習慣が実行できるようになってきました。失敗しても自分を責めずに、続けることがダイエットではとても重要になります。

まとめ

悪習慣を良い習慣に変えるためには、これまで述べた「無意識で起きている悪習慣に気づく」「小さな習慣の変化から始める」「悪習慣が起きないように環境を整える」ことで習慣を変えることができます。

自分が「いつ、どこで、どんな感情のときに悪習慣に陥るか」を細かく把握しましょう。そして、その悪習慣を「簡単に実践できる良い習慣に置き換えるように準備をしておくことが重要です。

それにより、悪習慣にスリップすることを防ぎ、やせ習慣を実行することができます。そして理想的なやせた自分を手に入れることができるのです。