一般的にいわれているダイエットとは、食事制限をしたり、運動をしたりすることだと考える方が多いでしょう。確かにそうですが、実際のところその中身は「昔から行っている生活習慣を改め、新しい生活習慣を身につける」ことをやっているといえます。例えば、以下のようなものです。

・大好きなジャンクフードを食べるのをやめて、健康的な食事に変える

・電車通勤をやめて、早起きをして会社まで自転車通勤をする

・外食を控えて、自炊をしてヘルシーな食事を摂るようにする

これらは、いままで慣れ親しんだ毎日の行動や生活リズム、食生活などをやめています。そして、新しい習慣を自分自身に取り入れているのです。なにかを新しく始めるためには、何かをやめて時間を調整したり、新しいことを実践したりする必要があります。

特にダイエットを成功させるには、「なにかをやめて断ち切る」ということが必須になります。それなしでは、何も変化を生み出すことはありません。やせる決断をしないことにはなにも始まらないのです。

体重を減らしてやせるためには、「この日から絶対にダイエットを成功させる」という決断をするようにしましょう。そのための必要な考え方について、いくつか紹介します。

決断することの重要性を知る

世の中には、やせると決断をしてダイエットを始めたのにも関わらず、挫折を経験した方が大勢いるのは事実です。あなたにもそんな経験があり、挫折をするたびに肩を落としはダメ人間のレッテルを自分に貼りつけてきたのかもしれません。

しかし、いまの生活環境を変えてまでダイエットをしようとしたとき、リバウンドなどによってダイエットを失敗することは生物として自然なことです。なぜならば、基本的に生物は保守的(いまの状態をできるだけ変えないこと)にできているからです。だからこそ、正しい方法で体重を減らす決断をすることが重要になります。

なぜ、人間は保守的かというと、「生活環境が絶えず変わってしまうと、体はすぐに対応できない」ためです。

急に高い山に登れば高山病になるのと同じように、明るい場所から急に暗い場所に移動すると目が慣れていないので何も見えないのと同じように、急激な変化に体は対応できないのです。

人間が現状維持を好むことを専門用語で「コンフォートゾーン」といいます。コンフォートゾーンを理解すると、生物がいかに保守的にできているかがよく理解できます。コンフォートゾーンの存在を知ることで、「しっかりとした決断なしにダイエットを始めることが、いかに無謀なことであるか」がよく理解できるようになります。

コンフォートゾーンとはなにかを知る

コンフォートゾーンとは「快適な領域」という意味で、人の心と脳は無意識のうちに心地よい領域(現状)に戻ろうとしてしまうというものです。

一体どういうことか、私も初めコンフォートゾーンのことを理解できませんでした。しかし、下記の話を聞いて納得できました。実は、私にも学生のときに同じような体験があったからです。その話とは以下のようなものでした。

あなたは、いつもテストで平均的に90点をとっている非常に優秀な子供だったと仮定します。

あるとき、平均点以下の60点をとってしまいました。きっと先生や親にとがめられるでしょう。もし、怒られなくても「いつもより低い点数」に居心地が悪くなります。

これがコンフォートゾーンの外にいる状態です。あなたは必死で勉強して、次のテストでは平均90点に戻そうとします。子供にとって「勉強という点で先生や親から賞賛され、周囲の友人たちから勉強を教えてほしい」と聞かれることがコンフォートゾーンなのです。

ただ、その反対もあります。例えば、勉強のできない子供が少し努力して奇跡的に100点満点をとったとします。そのときはとても嬉しく、有頂天になったり、人によっては「自分は勉強のできる人間だ」と調子にのったりします。

しかし実は、この状況もコンフォートゾーンの外となり、この子供は無意識に勉強の手を抜き始めます。そして、いつもの自分に戻ってしまいます。

点数が良くても悪くても、いつもと異なる環境を人間は本能的に嫌います。よって、無意識のうちにコンフォートゾーン(快適な領域)へ戻ろうとしてしまいます。

このように、人の心と脳は「いつもと違う自分自身」を好まず、いつも同じ状況で居続けたいと感じてしまうのです。これは、ダイエットでも同じようなことがおきます。

例えば、誰でもお菓子の食べすぎは太ると頭ではわかっています。しかし、子供の頃から習慣的に毎日お菓子を購入して食べてきたのならば、いくら節制していても我慢の限界がきます。

こうしたとき、いくら頭では分かっていたとしても、例えばコンビニエンスストアなどのお店に行ったときに、不本意にも無意識にお菓子を購入して食べてしまうのです。

ほかの例をあげると、あなたはバス通勤を習慣にしていたとします。ここで、やせるために運動することを考え、早起きして自転車通勤をスタートします。

しかし、「やせる決断」が正しくできてなければ三日坊主で終わります。あなたの快適な通勤方法は、今までずっと行ってきたバス通勤だからです。また、早起きを苦痛に感じて結局は元の状態に戻ってしまいます。

以上のようなことが起きてしまうのは、コンフォートゾーン(快適な領域)に戻りたいという人間の本能的な部分が働くからです。

一方で、あなたがしっかりとした高い目標設定と目的意識をもって、「必ずやせる」という決断ができていたならばどうでしょうか。

正しく決断できたあなたならば、今までの古いコンフォートゾーン(快適な領域)を抜け出し、理想的な行動ができるようになります。そうなれば、間違いなくあなたのダイエットは成功します。

それでは、どのようにして古いコンフォートゾーンから抜け出せばいいのでしょうか。これについて、より詳しく解説していきます。

古いコンフォートゾーン(快適な領域)から抜け出す方法

先ほども伝えたように、人間には無意識のうちにコンフォートゾーン(快適な領域)に戻ってしまうという事実があります。

しかし、イメージ(妄想)の世界だけならば理想的な自分でいることができます。イメージすることで思考を変えることができ、古いコンフォートゾーン(快適な領域)から抜け出すことが可能です。

それでは、体重維持(または体重を減らす)ために実際に私が普段から行っているイメージトレーニングを紹介します。

まずは、具体的な理想のイメージを感情も含めてノートに書きだします。例えば、私でいう新しい理想的な自分のイメージは以下のようなものでした。

・10代のときと変わらない身軽な体重の自分

・大好きなダンスを理想の体型で、格好よく心から楽しんでいる自分

・やせることのできた経験を人に共有していて、感謝されて誇らしい気分でいる自分

このようなゴールをいくつもイメージして、ノートに書き出しています。そして、ノートを見て自分自身と約束をしています。「いまの太った現状を卒業して、新しい理想の自分になるための行動を続ける」という自分への誓いを立てています。

さらにイメージするだけでなく、その自分になったらどういう気持ちになるかを、先取りして感じるようにもしています。

理想の自分のイメージや感覚は、いつどこにいても思い浮かべることができます。そうして、理想の自分になりきって生活することで、自分との約束(ダイエットを継続すること)を守り、挫折を防げるようになります。

人によっては、イメージして理想の自分になりきるなど、馬鹿馬鹿しいと感じるかもしれません。しかし、その効果は絶大であり、思考に変化をもたらすことができます。

例えば、コンビニエンスストアに行った場合、古い習慣でついついお菓子コーナーに行って新商品をチェックしてしまいます。

しかし、習慣的に理想の自分になりきっていたなら、「理想の自分なら、ジャンクフードやお菓子を買わずにヘルシーなものを購入するだろう」と考え始めます。そして、お菓子は買わずヘルシーなものを探して購入するのです。

イメージを習慣化することで思考が変わり、古いコンフォートゾーン(快適な領域)から抜け出て、新しい自分に変化していくことができます。それにはもちろん「明確な目標」「理想の自分のイメージ」をもっていることが前提であり、それを実行するための「やせる決断」ができていている必要があります。

決断さえできれば必ず結果がついてくる

世の中には、やせる決断がうまくできないために失敗している人が多くいます。裏を返せば、やせる決断を上手にやり遂げることができたなら、ダイエットは成功したといっても過言ではありません。

しっかりとした決断をするためには、まずダイエットをする心構えが重要になってきます。心構えができていないと挫折のリスクが高まります。この豊かな現代社会には、あなたを太らせる誘惑が数多く存在するからです。

ダイエット成功に必要な心構えとしては、「明確な目標をもち、リバウンドを回避する」ことがあげられます。

例えば私の場合、「ダンスの講師として生徒の見本になる」が目的であり、「ダンサーとして活躍していた現役時代の体重を保つ」ことを目標にして、体重を減らすことを決断しました。心からダイエットしたいと考えてあなたがやせる決心をしたのならば、ダイエットの成功率は格段に上がります。

そして、効果的な決断にはいくつかポイントがあります。

決断するタイミングが成功率を左右する

結果を出すために、決断することが不可欠なのは理解できたと思います。

実は、やせる決断をしてダイエットをスタートするときに適したタイミングがいくつかあります。それは、誕生日や年始、月初めなどの「記念日」「覚えやすい日」です。その理由について述べていきます。

記念日は汚したくないという心理

まず、記念日にダイエットを決断することが、なぜ効果的なのかを話していきます。

多くの女性にとって、誕生日や結婚記念日などは「特別な日」になることが多いです。それらは年に一度だけであり、他人と記念日が重なることはあまりなく、なによりも周囲から祝福される日です。そんな大切な日をだれも汚したいとは思わないでしょう。

たとえば、30歳の誕生日に最悪な出来事があったなら、あなたは誕生日が来るたびに「30歳の誕生日には○○という最悪な出来事があった」などと思いだすことでしょう。

では、あなたが大事な誕生日や結婚記念日にダイエットを決断して失敗したとき、どういう心理状態になるかを考えてみましょう。

あなたは大事な記念日に、ダイエットを始める決断をして目標を定めたとします。場合によっては、お祝いしてくれた友人やパートナーにダイエット宣言をするでしょう。

そして、そのゴールを達成しようと毎日努力を続けていました。しかし、なんらかの理由で挫折しリバウンドをしてしまったとします。そうなると、きっと残念な気持ちになると思います。

「30代のときに目標体重になって、みんなに『綺麗になったね』といって欲しかった」「パートナーに喜んでもらいたかった」などと考えます。

何の意味もない日にスタートしたダイエットの失敗よりも、より落ち込むでしょう。他の人に宣言までしていたのならば、なおさら後悔します。

しかし人によっては、あまり記念日に興味がない女性もいるでしょう。そういう人には月初め、もしくは年始のダイエットの決断が効果的です。このように、あなたにとって「特別な日に行うダイエットの決断は、非常に意味のある日に始めた重大なこと」になります。その結果、ダイエットをおろそかにはできない心理が働き、挫折の可能性を減らすことができます。

月初めのスタートは継続できるダイエットになる

なぜ、月初めが効果的なタイミングなのでしょうか。実は、月初めに決断をすると成功しやすい理由はとても単純です。

月初めからダイエットを始めると、経過を記録したときにわかりやすくなります。これは、継続できるダイエット方法を模索することに役立ちます。

これと同じ原理のわかりやすい例として家計簿があります。

もし、あなたが海外旅行に行く貯金をするために、家計簿をつけ始めたと考えてみましょう。ほとんどの人が、月の途中から始めることはないでしょう。月初めに家計簿をスタートして月末で締めることで、1ヶ月間の家計の状況を把握でき、ほかの月との比較もしやすくなります。

これであれば次の月の予算も決めやすくなり、無駄な支出を減らすことができて効果的に貯金しやすくなります。

家計簿と同様に、ダイエットの経過を記録することは、体重を減らし続けるうえでとても重要です。なぜなら、自分の行っているダイエット方法の経過がわからなければ、それが自分に合っている正しいダイエット方法なのかを判断することができないからです。

1ヶ月目と2ヶ月目を比較して「どれくらい体重が落ちているのか」「体重の停滞はいつ頃に起きて、どれくらいの期間続いたのか」などを知ることで、あなたの現状に合った適切なダイエット方法を考えることができます。

一瞬だけ体重を減らして結果を出しても、リバウンドしてしまうのなら、ダイエットに成功したとはいえません。ダイエットを始めて2ヶ月間で10kgやせても、リバウンドして11kg増えてしまえば全く意味がないのです。

これでは、ただ、辛いダイエット経験をしただけになります。

自分の身体にあったダイエット方法をそのつど選び、目標の体型を維持することが、結果を出しているといえます。無駄な努力をせず、必要なことだけを実践して結果を出すことが、本来の意味での「楽にやせる」ことになります。

こうしたことから、ダイエット経過の記録は不可欠なものになります。

ダイエットの経過を見やすくして、適切な判断をするための記録をつけ始めるのにふさわしい日が「月初め」です。そして、この月初めの利点と、記念日の利点を組み合わせたのが、次に述べる「年始のやせる決断」になります

太りやすい年末年始の決断は効果的

やせる決断の効果的なタイミングとして「年始のやせる決断」があります。

一般的に年末年始は太りやすい時期とされています。年末年始は人と会う機会が多いだけでなく、外食などの豪華な食事をとる機会が多いため、効果的にダイエットの決意ができるというものです。

ただしこれにはルールがあり、それを守れる人だけが成功する方法です。このルールを守る自信がない方にはおすすめできません。

それでもこの方法を紹介する理由は、実際に私が試して効果があったからです。そのルールとは、「ダイエット宣言をする」「別れの儀式として、食べたいものを食べまくる」というものです。

それでは、私の実体験をもとにどのような方法をとったかをお話しします。

はじめに私は、年末に「来年こそはやせたい」とやせる心構えをもち、明確な目的・目標を決めました。

また年末といえば、恋人と過ごすクリスマス、会社やサークルなどの忘年会があります。年越しは家族で年越しそばを食べたり、カウントダウンパーティーなどで朝まで飲み明かしたりする人たちもいます。

そのようなイベントの際に、好きなだけ暴飲暴食をしました。またお菓子やジャンクフードも、いつもに増してたくさん摂りました。理由は、この後にある「やめたい食べ物との別れの儀式」を実践するためです。

そして、時計の針が24時を回った瞬間に、「新しい理想的な体型の自分になる」と決断し、みんなに「ダイエット宣言」をしてまわりました。だれかと会うたびに、今年の抱負はやせることですといって、みんなに協力を求めたのです。

「今まであんなに食べていたのに、なんの冗談をいっているんだ」と笑う人もいました。しかし、新年に入ってからは、家族とのおせち料理や、会社の新年会のご馳走も、「今年は本気でやせるから」と何度も宣言して、ヘルシーなものだけを選んで食べるようにしました。

すると周りは、「年末はあんなに食べてたのに、本気で決心しているんだ」と思い始めます。

その結果、周囲の人は私に無理に食べることを勧めてこなくなりました。それどころか、一緒にダイエットを始める同僚や友人が増えていき、やせるための情報を教えてくれるようになりました。

このように、やせる宣言をすることで「みんなが見ているから失敗はできない」と決断を強化することができて、後に引けなくなります。また、本気で努力している姿勢を見せることで、協力者も増えていきます。

多くの人はダイエットしていることをみんなに知られたくありません。私も昔はそうでした。しかし、他人に知られずにダイエットを続けることには、以下のようなデメリットがあります。

・失敗しても、とがめる人がいないので決断が揺らぎやすい

・ひとりで行うダイエットは孤独であり、精神力が必要になる

・急に生活を変えると、周囲に誤解を抱かせる場合がある

ダイエットでは生活習慣を変えたり、食生活を変えたりと生活に関わることが多いです。

人の生活には必ず他人が関わっています。会社の同僚との飲み会、家族との外食などを急に断わるようになったとき、相手はあなたの急な変化に驚き、人間関係に支障がでてきます。しかし、ダイエットに本気で取り組んでいることを伝えていれば、相手も理解を示してくれます。

中には、断っても無理やりお酒や食事を勧めてくるタイプの上司や同僚もいます。そんなときのために「医者からやせるようにいわれている」など、事前に断る理由を作っておくのは得策です。

このように、やせる環境を作ることはダイエットの成功につながります。特に、年始は人に会う機会が多く、やせる決断を新年の抱負として宣言して回るのに最高の時期です。

決断を宣言することで意識が高まり、目標達成しやすくなります。できるだけ具体的な目標を宣言できるようにすると、相手にも伝わりやすく理解を得やすいです。

また、「外食はヘルシーなものと決めている」「チョコレートやポテトチップスは食べるのをやめました」などと宣言すると、相手もどう対応したらいいか考えやすくなるので協力してくれる可能性が高まります。

それでは、次に年末に暴食して「やめたい食べ物との別れの儀式」を実践することの意味について確認していきます。

やめたい食べ物との別れの儀式

先ほど述べた私が実践したことの中に、「年末に暴飲暴食をする」ことがあります。暴飲暴食はダイエットとは真逆の行動だといえます。

暴飲暴食をする意味は、あなたがこれまで愛した食べものに未練を残さず別れるためです。

人は未練があると決断が鈍ります。未練を残さないためにも「別れの儀式」として、やめたい食べものを思う存分食べるのです。そうすることで、一時的に体重は増えますが圧倒的にやめる決意ができます。

これは、失恋を例にしてイメージしてみるとわかりやすいです。愛しい恋人と別れたくないのに、別れなければいけなくなったとき、人は未練を持ちやすいものです。

未練が多いほど、人によっては老人になってまでも「あのとき別れていなければ」と昔の恋人のことを語る人がいます。

食べものは恋人ではありませんが、あなたが大好きな嗜好品や食べものなどは、今まであなたをずっと支えてきてくれた存在ともいえます。仕事で疲れたときのチョコレートの甘さに元気をもらったり、好きなものをお腹いっぱい食べたりすることで、心を満たしたことはないでしょうか。

そんなサポーターのような存在(大好きな食品)と最後の別れをするのです。

食生活を改善するということは、太る原因となっていた食べものをやめて、健康的な食事に転換するということです。特にダイエットの初期段階ならば、「お菓子やジャンクフードを一生食べない」くらいの気持ちで望むほうがダイエット失敗のリスクが減ります。

思い残すことがないように好きなものをたくさん食べて堪能し、これまであなたを支えてくれたことに感謝しましょう。そして、太る食べものへの未練を残さず、別れた後は新しい食材たちとの出会いに心を踊らせてみるのもダイエットの楽しみのひとつといえます。

このように、やせる決断の前の暴飲暴食は、「悪い習慣として身についた食生活に未練を残さないようにできるきっかけ」のひとつになります。また、この儀式には以下のような心理的な効果もあります。

大好きな食べ物であっても強要されると、人は避けたくなる

「やせる決断を成功させるために、食べものを思う存分食べまくる別れの儀式」の実践には、「人は強制されると避けたくなる」という心理効果もあります。

例えば、あなたには子供のとき、自主的に勉強や部屋のかたづけをしようと考えていたとします。そこにお母さんが現れて「早くかたづけて勉強しなさい!」と言われた瞬間、一気にやる気がなくなることはなかったでしょうか。

これは、誰かに強制される(片付けや勉強をさせられる)ようになったことで、意欲がなくなったのです。

このときの心理はダイエットに応用でき、やせる決断を強化させることができます。

この心理をダイエットに活用できることを知ったときは、私はとても半信半疑でした。なぜなら、好きなものを欲する気持ちは簡単には変わらないと思っていたからです。そこで私は、実際に自己検証をやってみました。そのときのことについて話します。

「自己検証」チーズフライとの別れ

確かに「強制されるとやる気をなくす」という心理は理解でましたが、正直にいうと私はダイエットに応用できることについては非常に疑問でした。

かたづけを強制されてやる気をなくすのはわかりますが、大好きなものを強制されて嫌になるわけがないと思ったのです。

そこで実際に検証を試みました。すると、大変驚く結果になったのです。その結果とは、次のようなものでした。

実験を試みようと思った当時、私は家の近所にあるファーストフード店で売っている「チーズフライ」という食べものが大好きでした。フライドポテトに黄色いチーズソースのかかったジャンクフードです。

「高カロリーで太るものを食べている」という罪悪感をもちながらも、その美味しさと安さに負けて、週に2〜3回は購入し貪るように食べては自己嫌悪に陥っていました。

そこで私は、チーズフライを自分に強要するようにしました。「毎日1つ購入し、最低でも1週間、できれば3週間は毎日食べ続ける」という強要をして検証することにしました。

この検証のポイントは、自分自身に「数と日数のノルマを与えることで強制力をつける」ことにあります。さらに私は、身近な友人にもこの検証について話して、私が途中でやめないよう協力をしてもらいました。

すると不思議なことに、3日目でチーズフライに対して嫌気がさして、1週間も食べ続けなければいけないことが我慢ならなくなりました。

ただ、これは検証なので、途中でやめるわけにはいきません。友人にも協力をしてもらっている手前、やめることもできません。

私は毎日、大好きだったはずのチーズフライの味や食感に気持ち悪くなりながらも、頑張って1週間の間はチーズフライを食べ続けました。今では、そのファーストフードに行くこともなくなり、チーズフライを見ると、あの嫌々ながら食べた辛さを悪夢のように思い出します。

このことから、人は「強制されると嫌になる」という心理が働くことを実感しました。

このことを理解した上で、やせる決断をする前に「あなたがどうしてもやめられない食品」を毎日のノルマとして食べてみてください。そうすれば、今回の心理が働いて「太る食べものをやめること」が簡単にできます。

ただし、一度決めたノルマは、どんなに嫌になっても絶対に途中でやめないでください。やめたら強制力がなくなり効果がでません。

だれにでも気軽にできることではありませんが、このような「強制されると嫌になる心理」があることを知ることは、今後ダイエットをしていく上でとても役に立ちます。

同じように考えると、「ダイエットは決して自分に強制してはいけない」ということがわかります。なぜなら、「強制されたダイエットに対しては意欲がなくなる(=ダイエットに失敗する)」からです。

あくまでもダイエットは自主的に行う必要があります。しかし、生活習慣を変えたりと、めんどうなダイエットを自主的にしたいと思ったりする人はいないでしょう。

それでは、どうやって強制的にではなく、自主的にダイエットを始めることができるのでしょうか。その方法としては、やせるために自己洗脳をすることがあげられます。自己洗脳により、ダイエットをしたいと能動的に動けるようになります。

自己洗脳で自主的にダイエットができる

馬鹿みたいな話だと思う方もいるかもしれませんが、ダイエットを成功させるために自己洗脳はとても有効です。

洗脳と聞くと、怖いと思う人もいるでしょう。しかし、この場合はやせるための自己洗脳なので、自分に対して「私は理想の体型になることができる」と信じ込ませるというだけです。そのため、むしろ積極的にやっていく方がいいでしょう。

では、自己洗脳がどうして有効かというと、思い込みによって実際に結果が出ることが科学的に広く知られているからです。

例えば、「プラシーボ効果」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。効果のない薬(例えば小麦粉で薬のように見せかけて作った錠剤)などを、「これはとても効果がある鎮痛剤です」と言って医者が処方すると、実際に鎮痛効果が認められるようになるのです。

そのため、医薬品の臨床試験では新薬だけでなく偽薬も必ず投与して効果を検証します。偽薬でも病気の症状が改善されてしまうため、偽薬と比較することで新薬の効果がどれだけあるのかようやく分かるようになるのです。

このように、実際は効果のないものにも関わらず、効果があるものだと信じることによってその効果が表れるのです。

信じるということには、途方もない大きなパワーがあります。

なお、ここまで紹介した「決断する最高のタイミング」「食べものとの別れの儀式」を実践することは、やせる自己洗脳をすることでもあります。上記の方法を実践することで人は次のように考えます。

・最高のタイミングでやせる決断をしたから、きっと成功する

・もう二度とこの辛い儀式をやることはない

・太る食べものに、一切の未練を残すことはないだろう

適切なタイミングでダイエットをする決断をしたり、儀式を行なったりすることで上記のような考えが出てきます。その思考が、やせるための自己洗脳となります。

このときの自己洗脳は「これだけやったのだから、きっと理想の自分になれる」という自信にもつながります。私もこの方法を試してダイエットに成功しました。きっとあなたも成功できます。

しかし、それでもまだ、ダイエットを決断するのに不安が残る方もいると思います。そういう場合に知っておくと心の支えになる法則をお教えします。

やせる決断を支える「21日間の法則」を知る

実際になにかを決断をすることは、とても勇気が必要なことです。特にダイエットに関していえば、これまで慣れ親しんだ生活習慣や食生活が変わります。

「衣食住が変われば人は変わる」という言葉があるように、食生活の改善においては劇的にあなたの人生を変えることができるのです。

そのような大きな変化にチャレンジすることを決めたあなたは、本当に素晴らしい人間だといえるでしょう。

しかし、習慣を変えてすぐの頃は、慣れない環境のため古い習慣に戻りたくなるような辛いことがあるのも事実です。こうしたとき、「21日間の法則」があることを思い出すことで、辛さが半減します。

あなたは「21日間続けたことは習慣になる」「人の感情は21日間で次の段階に移行する」という話を聞いたことはないでしょうか。実際のところ習慣化する内容によっては21日以上かかるという説もあり、賛否両論といった法則ではあります。

なぜなら、毎日1時間のジョギングをする習慣となれば、雨の日もあるでしょうし、仕事などで時間を割けない場合もあるでしょう。

また、ジョギングのために1日1〜2時間も時間を割くということ自体が大きな変化でもあります。21日間もの間、毎日続けて習慣にするには労力と時間がかかるものです。そう考えると、この法則は成り立たないようにも思えます。

しかし、これは私の個人的な感覚ですが「人の感情は21日間で次の段階に移行する」のは、経験上正しいように感じています。正確には1ヶ月単位ほどで、どんな感情も次に感情にステップアップします。

たとえば、新入社員として新しい会社の環境に慣れるまでの経過を考えてみてください。入社して約1ヶ月で緊張がほぐれてきて、2ヶ月目には失敗なども少なくなり、自分がする仕事に少しずつ自信が出てきます。

3ヶ月目になる頃には、ある程度は会社の戦力となるような実力を出せるようになっていきます。仕事の内容にもよりますが、実際に「試用期間3ヶ月」という求人はよく目にします。

ほかにも例を出すなら、よく女性は失恋したとき、初めの1ヶ月は泣いたり悔やんだりと悲しみます。

しかし、2ヶ月目には悲しみの質が変わり、ただひたすら泣くようなことはなくなります。ただ、「少し寂しいな」くらいになります。人によっては、3ヶ月目には悲しいことなどなかったかのように元気にしている人もいます。

このように1つの感情をとってみても、時間の経過とともに次の段階へと変化していくのです。このことからわかるように、どれだけ辛いと感じる状況でも、21日間乗り切れば次のステップに進めると思えば、ダイエットで辛い状況になっても乗り越えられるのではないでしょうか。

ダイエットは生活習慣を変えるものです。元の悪い習慣に戻ればリバウンドします。それを避けるためにも、新しい習慣を続ける覚悟と工夫が不可欠です。

しかし、21日単位で辛い感情が和らいでいくのなら、なんとか続けていけると思わないでしょうか。21日間の法則は、あなたのやせる決断を支えてくれる考え方だと思います。

このように考えれば、「やせる決断をして辛いのは最初の21日間だけ」です。またタイミングや食べものとの別れの儀式などを行い、やせる自己洗脳についても理解したのなら、やせる決断はそこまで難しいものではありません。

効果的にやせる決断をして、たった21日間だけに耐えることができれば、あなたは間違いなく理想の自分に近づくことができます。